体験者訴訟


2012.6.25

判決後の記者会見の様子


2012年6月25日,長崎地方裁判所で,不当判決が下されました。

当弁護団は,今後,この判決を厳しく糾弾し,控訴審において逆転判決を求め,たたかってゆきます。

ここに,判決文全文を公開します。

なお,原告名はマスキングし,原告目録は省略しています。

120625_hanketsu.pdf (←クリックすると,判決全文が開きます)



2012.6.24

長崎地裁前での集会演説


被爆体験者訴訟とは,長崎原爆の爆心地から半径12キロメートル圏内を被爆地とし,当該地域にいた人を被爆者として,国が法律に基づく援護するよう,国等に求めている訴訟です。諫早総合法律事務所の弁護士全員が,原告団の代理人として取り組んでいます。


原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成六年十二月十六日法律第百十七号)は,被爆者を次のように定めています。


(被爆者)
第一条  この法律において「被爆者」とは、次の各号のいずれかに該当する者であって、被爆者健康手帳の交付を受けたものをいう。
 原子爆弾が投下された際当時の広島市若しくは長崎市の区域内又は政令で定めるこれらに隣接する区域内に在った者
 原子爆弾が投下された時から起算して政令で定める期間内に前号に規定する区域のうちで政令で定める区域内に在った者
 前二号に掲げる者のほか、原子爆弾が投下された際又はその後において、身体に原子爆弾の放射能の影響を受けるような事情の下にあった者
 前三号に掲げる者が当該各号に規定する事由に該当した当時その者の胎児であった者


我々は,3号が被爆者の一般規定であると主張しています。長崎原爆では,爆心地から半径12キロメートルの地点まで,厚い原子雲が覆いました。当時の測候所のスケッチが残っています。よって,爆心地から半径12キロメートル圏内は,原子雲により放射性物質が充満し,当該地域にいた人は,内部被曝をしました。これはまさに,3号の定める「放射能の影響を受けるような事情の下にあった」といえるはずです。


しかし行政は,1号2号で指定した行政区域以外にいた人については,被爆者ではないとしています。そうした人が疾患を発症した場合,それは被爆体験による精神的影響であるとして,「被爆体験者」と名付け,法律の枠外での微弱な援護を施しているに過ぎません。極めて不当です。(行政の「被爆体験者」への援護の詳細:被爆体験者のみなさんへ


「内部被曝」という言葉は,福島原発事故により,一般化しました。今回の裁判は,正に「内部被曝」が争点です。


2012年6月25日午後2時,長崎地裁で,体験者訴訟の判決言渡しがあります。ご注目下さい。

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